さすらい猫の愚痴

音楽のこととか、まあ他にもいろいろ書こうかなぁと思います。あと一人称がコロコロ変わります。

映画「ドニー・ダーコ」。銀色のウサギが世界の終わりを告げに来る

 

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 みなさん、最近映画見てますか?

こーゆー寒い季節は家にこもり、借りてきた映画でも見てぬくぬくするのが一番ですよね。

そんなわけで今回は僕の好きな映画を一本紹介したいと思います。

 

大学一年生のときにサスペンス系の映画にハマり、ネットでおすすめのサスペンス映画を見つけては借りて、見つけては借りての繰り返しでした。

 

サスペンス系でよく聞く言葉が「大どんでん返し」とか「ラスト10分間、あなたは度肝を抜かれる!!」などの謳い文句がありますよね。代表的なのだと「ユージュアル・サスペクツ」、「シックスセンス」、「ファイトクラブ」などなどいろいろあります。

 

そんな中今回僕が紹介する映画はちょっぴり異色な映画です。

ドニー・ダーコ

2001年に公開されたアメリカの映画で、監督、脚本はリチャード・ケリー

難解で複雑な構成のため何回も見直すところからリバースムービーとも呼ばれていて、タイムトラベルといったSFの要素も含まれています。

公開当初の反応はイマイチでしたが、発売されたDVD、VHSがヒットし、カルト映画として人気を得ました。

 

あらすじ(ざっくりと)

精神が不安定な高校生ドニー・ダーコはある晩、眠ったまま家を出てゴルフ場に向かう。そこで銀色のウサギと出会い、そのウサギから「あと28日6時間42分12秒で世界が終わる」と告げられる。翌朝家に戻るとジェット機のエンジンがドニーの部屋に落下していた。その日からドニーの身の回りで不思議な出来事が起こり始める。。。

 

まあざっくり説明するとこんな感じです。(笑)

「世界の終わりまであと28日6時間42分12秒」、この言葉がこの映画を見つけたときにとても印象的で、これはどんな映画なんだ!?と胸躍らせたことは今でも覚えています。

そして僕はこの映画をなんだんだで5回以上は見ました。

ストーリーを読み解きたいというのも理由の一つですが、それよりもこの世界感に浸っていたい!という気持ちの方が強く、気分が晴れないときとかにこの映画を見たりしていました。決して明るい映画ではないのですが、無性にこの映画を求める自分がいました。

 

僕をここまで引き付けたこの映画の魅力とはなんなのか?

ここからは僕が思うこの映画の魅力について語っていきたいと思います。

 

・使われている音楽

この映画では主に80年代のニューウェーブ系の曲が使われています。

Echo & the Bunnymenの「The killing Moon」や、Joy Divisionの「Love Will Tear Us Apart」などといった数々の名曲が挿入歌として使用されており、この映画においてもかかせない存在となっています。

ニューウェーブ系の曲って独特な雰囲気を持ってますよね。

退廃的で歌詞とかもけっこー暗めです。Joy Divisionもそうですが、the Cureとかthe Smithsとかもそうですよね。でもその退廃的な中にある儚い美しさみたいなものが散りばめられていて、それがこの映画ととてもマッチしています。

 

・ドニーの不安定な感情

これが魅力?と思われてしまいそうですが、この感情の不安定さがこの映画の空気感や緊張感を生む要因の一つだと僕は思っています。

 

主人公のドニーはあらすじでも書きましたが精神が不安定です。空き家に放火をしたこともあり、暴力的な一面も持ち合わせています。

僕はこの映画は思春期の青年特有の精神や気持ちの不安定さなども上手く表現できているような気がしました。まあ放火はやりすぎですけど(笑)

親に対する反抗心と家族への愛情、そして恋、思春期ならではの葛藤など青春映画としての一面もこの映画にはあるように思えます。

 

この映画のワンシーンで、自己啓発系セラピストのジム・カニングハムという男を尊敬する、保健体育のキティ・ファーマーという女性教師が出てきます。

授業でもカニングハムのビデオを見せたりと影響されまくりなのですが、ある授業(日本で言う道徳の授業みたいなやつ)で、黒板の両端にそれぞれ「恐怖」と「愛」という言葉が書かれており、そして生徒に様々なシチュエーションにおける人間の行動が書かれたカードを渡します。(例えば「〇〇さんは明日テストがあるのを知っていたのに勉強をしてきませんでした。なのでまるま〇〇さんはカンニングをしました。」みたいな)

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そしてその人の行動が恐怖=ネガティブな感情から生まれた行動か、愛=ポジティブな感情から生まれた行動か分けるという授業が行われ、そのときドニーが言った言葉が

 

「人間の感情は簡単に分けられるものじゃない!!」

 

僕はこのシーンが大好きでドニーが若者の代表のように感じられました。ドニーは他の人より敏感で不安定な心を持っていて、そういったことから簡単に人の感情を二つに分けてしまうファーマー先生の考え方が許せなかったんですね。

 

 

ここまでいろいろ書いてきましたが、是非一度この映画を見てください。

好き嫌いが分かれやすそうな内容ですが、僕個人としてはおすすめの映画です。

 

難解な内容な分、様々な解釈があります。そこで問題なのが、この映画を製作した監督自身のこの映画の解釈です。

監督の解釈が僕的にどーも納得いかない部分が多いんですよね、(笑)

 

まあ作った本人の意見なんで何も言えませんが、監督の解釈だと映画で起こる様々な出来事について説明的すぎるんですよね。

僕の意見では、謎な部分は謎なままでいいと思うんですよ。

 

この映画の良さというのはストーリ云々ではなく、あの空気感だと思います。

もちろん僕は、ストーリーも含めてこの映画は好きです。しかしこの映画はあの空気感があったからこそ成り立っていたと思います。

 

説明されるとせっかくのその世界観が壊れてしまうような気がするんですよね。

ネットをみると僕と同じで監督の解釈に否定的な人もいて、その人の独自の解釈とかもおもしろいです。

 

みなさんも是非「、ドニー・ダーコ」をご覧になってください。

そしてこの世界観に浸ってみてください!

では。